2011年03月08日

政治家の仕事、官僚の仕事

大前研一さんが、「これが本物の官僚改革だ!」というエッセイを書いています。
http://president.jp.reuters.com/article/2011/02/21/5C8F4942-38EB-11E0-AF51-9AFF3E99CD51.php

大学時代に彼の本を読んで、経営コンサルティングという仕事に憧れ、そのまま経営コンサルティング会社に就職したという、まさに私の人生に最も影響を与えた方の一人です。コンサルティング業は、複雑な事象を様々な手法で解き明かし、事実に基づいた形の論理を積み上げ、結論を導きあげる仕事です。そういった意味では、理屈理屈の世界ですが、大前さんの特徴は、理屈理屈と積み上げた上で、さらにそこから一気に飛躍して、新しいパラダイムを提示するという、独特の手法にあります。このパラダイム提示は、時に三歩先を行き過ぎていて、現実離れという印象もあるのですが、停滞感を打ち破るパワーもあって、魅力的に映ることもあります。だから、今も人気があるのだと思います。

今回のエッセイをまとめると、
  • 昔の官僚は、かなり大胆な長期戦略を描いたし、成長を背景にそれを描きやすかった
  • しかし、成長が鈍化した時の長期戦略を描くのは難しく、ゆえにバブル崩壊以降、官僚の長期戦略は迷走した
  • そこで政治主導と、政治家が主張したが、勉強と経験が不足する政治家にできるわけがない
  • 官僚の迷走は、長らく続いた行政組織の弊害が大きくなっているからだ
  • それは、縦割りと専門家が進み、だれも全体を考えなくなったという弊害 (専門的になることで評価される役所の縦割り文化)
  • 例えば、対中国外交については意見が言えても、日本全体の外交方針については意見が言えない
  • 長期戦略を描くための大局観を持つには、広い分野における本質的な理解と将来洞察が必須だが、それは勉強不足の政治家には無理か
  • ゆえに、既存の延長と、既存の発想の枠組みで物事を考えてしまい、結局「変化」に対応できない事態になっている


最後は、既存の組織をぶっ壊せという、短いエッセイならではの、乱暴な結論になっているのですが、抜本的な改革を行う時は、大局観に基づいた長期戦略が必須です。選挙でコロコロ変わってしまう政治家は、大局観は持てても、戦略は描けません。選挙の洗礼を受けない官僚エリートが、その役割を担い、政治家の判断を仰ぐのが、あるべき政治主導だと思います。政治家の仕事は長期戦略を官僚に提案させ、議論し、修正し、判断することです。

大前さんは、今の(霞ヶ関)官僚エリートは長期戦略のたたき台を提示できないと言っていますが、正直よくわかりません。ひょっとすると、長期戦略を判断する大局観を政治家が持っていないだけかもしれません。
ちなみに、長期戦略も出せない官僚と、大局観もない政治家の組み合わせだと、最悪です。すべてが目先の対応になってしまい、将来を勘案した「目先の対応」になりません。

これは、柏についてもあてはまるものです。もちろん、地方自治の場合は、国の制度体系に大きく影響を受けるので、単独の長期戦略は厳しいですが、国の動向を想定して、長期で考える必要があります。これが後期基本計画であるのですが、もう少し先の長期戦略も必要でしょう。来年度中には、「10年後に柏がこうなると予想されるから、今これをやっていく」という提案を、各部門でできるようにしたいと思います。特に、巨大投資となるゴミ部門は必須だと認識しています。
posted by 秋山ひろやす at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 組織運営 | 更新情報をチェックする
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