2011年07月22日

生活保護制度

昨日の朝日新聞15面は、生活保護制度に関する3人の意見がのっていました。そのうちの一人が、人口あたりの生活保護受給者数が最も多い、大阪市の平松市長です。

平松市長は、11年3月時点で、65歳未満の働ける人がいる世帯が21%にもなっていると言います。不況の結果、失業。そして、失業がそのまま生活保護に繋がっていると言います。
また、不正受給や、医療費の不正(必要のない医療を受けさせ、病院が収入を得ること)もあると言います。

平松市長が提案しているのは、働ける人は働いてもらえるような仕組みを作るということです。就労のためのトレーニングを行うことによって、就労に近づけるはずだと言います。仕事をえり好みしなければ、トレーニングを通して、十分に仕事に対応できるようになるはずと言います。
もちろん、それでも就労が厳しい方がいます。そういった方は、しっかり社会で支えるべきとも付け加えています。
また、可能なモノは現金給付から現物給付にすべきとも言います。現金で自由に買うということは守られるべきだが、生活保護で供与される現金がギャンブルなどに使われる弊害にも対応しなければならず、ひとつの工夫として、現物給付という考え方もあるとしています。

生活保護の論点は、
1.働くことができる方を、出来る限り早く、働く状態に移行できるか
2.不正受給などの問題をどれだけ減らすことができるか
の二つに尽きます。もちろん、生活保護の水準や、家族親族関係の希薄化による親族扶助の劣化といった大きな問題もありますが、現行の制度の中での論点は、この二つに集約されると思います。

柏の場合は、平成22年度末で約3500人、柏全体でで0.8%となっていて、全国平均から見ると、低い方です。ただし、40%弱が65歳以上の高齢者、40%前後が障害・傷病者などで、就労が難しい層で全体の8割近くをしめます。
残りの20%が、働ける可能性の高い方ですが、就労に移行出来る方は多くない状態です。

国も就労支援には力を入れており、平成22年度は柏で就労支援プログラムが実施され、113名の生活保護受給者が対象になりました。そして、非正規を含めた就労が36%、その後生活保護から抜け出た方が15%という結果になっています。なかなか厳しい現実です。
平松市長が言うように、仕事自体はあります。ただ、そのマッチングがうまくいかない。技術不足、経験不足が問題であれば、トレーニングでカバーできるはず、それが平松市長の主張です。私もそう思いますが、受給者の個々の事情は幅広く、また仕事の向き不向きの要素も強く、トレーニングによってマッチング率がどこまで向上できるか、これも悩ましいです。
これから、間違いなく生活保護受給者は増え続けます。そして、現場は多様です。就労支援も、不正防止も、市町村単位で対応していますが、現場は増加する受給者対応で手一杯です。本質的には国の制度ですが、その運用は地方自治体です。運用から見た課題をしっかり整理して、国に問題点を提起することが我々の仕事ですが、一進一退です。
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posted by 秋山ひろやす at 18:07| 行政の制度 | 更新情報をチェックする
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